川奈ホテルの秋 繁岡ケンイチ(繁岡鑒一) |
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ホテルレビュー1953年9月号より |
いつも引き合いに出る小室山に又の名があって小室富士とも云ふ、中々に味ひのある山で本家と比べれば勿論小柄で貧相だが見る場所によって趣きが、非常に変わるので、この点では本家本元も遠く及ばないだろう。 でこの山の裾に秋が来るのが例年十二月になる。これは間違ひなしで、都会にはそろそろ師走の風が吹こうとしている時にここでは紅葉のさなかなのだ、暖かいのですね、この時季にこの山を、あっちから、こっちからと眺め歩いたが先ず富士コース十一番ティーからの眺望が第一だろう。 特に午後の陽差しなってからの情景は野趣も一段と深まって全く好い、名文句を並べられたらと云う気分になるのだ。 ゴルファーも時には、ここの風物を味わって余裕を得られよ 仮に前半のスコアーがその日悪かったとしたら、ここらで心気一転という手を用いる為に、ゆっくり風景鑑賞でもしたら、後半戦が大いに楽になって、思わぬレコードを得られるかも知れない。 風流話しを一つ、それは十月の候、雨上がりの日を選んでプレイに出る貴下の何んなショットでもよろしい、ボールが落ちたあたりを一寸気を付けて見廻すと薄茶色の笠を冠った茸が見付かることだ。 これが美味そのものの初茸で、土地っ子のキャディに確かめてもらって間違ってなかったら獲得出来るだけ獲ることだ。そしてその辺にある何かの草の茎にでも差してゴルフのバックに下げて御覧なさい、これは日本的な素的なお土産の形態となる。味ひは勿論よし、新鮮そのものだし何処の店にもない珍品として、奥方へのよき贈物になる。 ゴルフの味、風物の味、心身鍛錬の味、その上、手土産の味と味をつくしてみた。 |
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